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ISO 9000シリーズないし、ISO 9000ファミリーとは、ISO(国際標準化機構)による品質マネジメントシステムに関する規格の総称で、その中核をなす規格はISO 9001である。もともと、現在のISO 9001の前身となる規格が、事業所の性格に応じてISO 9001,ISO 9002、ISO 9003に分かれていたことや、現在でも関連の規格が9000番台である物が中心になっているので、まとめてISO 9000シリーズと呼ばれる。認証の対象になる規格はISO 9001である。 ==品質の定義== 品質という言葉が使われた歴史は古代ギリシャにまでさかのぼる。アリストテレスは何かを一般的に評価する基準として、数値、関係、組成、場所、時間などと一緒に品質を挙げている〔 Kiliński、pp.13-14.〕。現在においては品質という単語は様々な意味に用いられている。文脈に応じた具体的な例としては、耐久性を意味することもあれば、信頼性を意味することもあり、時には高級であることも該当する。 ISO 9000シリーズでは、品質を種々の本質的なひとまとまりの特質が要求事項を満たしている度合い〔ISO 9000:2005, 3.1.1〕、と定義している。日常会話では、すぐに壊れるなどの理由で使い勝手の悪いことを指して品質が悪いということがある。しかし、ISO 9000:2005の品質の定義によれば、使い勝手の悪いことと品質の良し悪しは無関係である。あくまで要求事項を満たしていれば、それはよい品質のモノということになる〔Hoyle、p.7〕。 要求事項として考えられるものはさまざまである。一般に品質は、四つの種類に分けることができ〔久米、p.37〕、それぞれの場合について要求事項の具体的内容は次のようになる。 #企画の品質: 製品で実現しようとしている特性に対する顧客の要求。 #設計の品質: 企画の段階で検討された特性の水準や品質仕様。 #製造の品質: 図面・仕様書などの設計文書。 #サービスの品質: 調整、据え付け、消耗品の補給、不良品などへの対応に対する顧客の要求。 品質は製品に対する評価の基準の一つであるが、製品とは実体のある工業製品には限らない。ISO 9000シリーズでは、製品(product)を、プロセスの成果、と定義し、それには輸送やソフトウェアなどの顧客に無形で提供されるものも製品に含めている〔ISO 9000:2005, 3.4.2〕。ISO 9000シリーズで使われている「製品」(product) という単語をこのような意味として理解すれば、ISO 9000シリーズは製造業に限らずサービス業にも適用することができ、実際適用されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ISO 9000」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 ISO 9000 」があります。 スポンサード リンク
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